レグルス 2004-06-21
6 人中 1人 の方がこのレビューが参考になったと投票しています。
続編である『一千億の針』から読んだので、これも結構期待して読んだのですが、これがツラかった…。
ミステリSFではあるものの、ジュブナイルもの、少年冒険もの(といっても舞台は少年のふだん生活しているところなのですが)の要素があって、その部分がしんどかった…。
ミステリーとしても基本的には逃げた犯人を捜すだけで、犯罪捜査ものとしてはごくごく初歩的なもの(実はこの先入観がどんでん返しの一旦を担うことになるのですが)で、序盤から終盤までが“もたない”のです。
なによりなにより、最大の障害は訳文の読みにくさ。句点が異常に多いし、「めっかった」だの「ぐるり」だの「学校がひけた」、方言のような言葉が会話文だけでなく地の文にまで出てくるのです。
太平洋上の群島という舞台なので田舎っぽさを出すためかと思いもしたのですが、どうもそうでもないようで…。
初版が1963年といっても、クラークやハインラインなど、現在でも普通に読める作品はいっぱいあります。どうせ復刊するなら表紙イラストなんかどうでもいいから、文章を改訳してほしかったですね。
まあ原文の内容に直接関係ないことはおいといて、内容そのものは、意外な犯人というミステリの大前提をしっかりクリアしています。まあ名作といわれるだけのことはあるでしょう。とはいえ、300ページ読ませただけの苦労に見合うかというと、そこまではいっていない感じ。100ページくらいの中編が適当だと思われます。
SFとしては、“捕り手”たちの設定のオリジナリティには改めて感心するところです。