ヘイ 2008-07-25
4 人中 2人 の方がこのレビューが参考になったと投票しています。
購入したvol.3までを読んで感じたのは設定もストーリーも中途半端で説得力に欠け,テーマ云々以前に作品としての完成度が低いということだ.
ハード面では遠未来でなければ実現不可能だろうと思われる「義体」と称する超ハイテクが登場する.失われた身体部位を人工物で補ったある種の強化人間だが,生身の少年と素手の格闘で負かされる場面があり,それ程実用的ではない(義体が公表されたときのリスクを考えれば絶対に負けてはならい).ソフト面では,「条件付」と称する洗脳技術が紹介される.方法や内容については殆ど触れられていないが,効果を見る限りでは甚だ不完全だ.また担当官は,担当官としての訓練を受けている気配はなく,そういう意味では素人である.義体の扱いについての稚拙すぎる悩みが描かれている.義体の洗脳の度合いが素人の担当官に一任されているため,義体の洗脳度には著しい個体差がある.義体のひとりトリエラなどには任務より一般の少女の安全を優先したいという言動がある.全く実用的ではない.道具としての役割を受け入れるリコと対照している.洗脳度の強弱による違いを意識したのだろうが,やりすぎて逆効果だろう.それならいっそのこと,担当官を条件付けた方が物語としてましだろうと思える.等々枚挙に暇がないが,全体にアマチュア過ぎるだろう.それゆえに義体の存在意義も見えてこず,嘘っぽい.これがコミックの限界であるなら,やはり小説にすべきモチーフだったように思う.
蛇足だが,教育や躾などの名目で洗脳(人間らしく?)され,巨大過ぎるがゆえに見えずにいる支配の構図に組み込まれ,現代医学によって命を永らえる現実の我々と義体達にどれ程の違いがあるだろう?新たな体と意識と生きる目的を与えられ,訓練や保護などの生活環境が与えられ,仕事には報酬が与えられる.彼女達が幸福であったなら,やはり偽りの幸福なのか?などと考えてしまった.