NoBu 2003-08-02
7 人中 7人 の方がこのレビューが参考になったと投票しています。
石原作品はボーイズラブ系の作品が多く、女性の方のレビューが多くて、野郎が投稿するのは少々気が引けるのだが…。
女性向の漫画の中にも、男が読んでも面白い物がいくつかある。
特にこの手の近未来物というか、サイバーパンク風味の物が好きで、色んな物を読んだり、見たりしているのだが、その中でもこの作品は、個性的で愛着のある一品だ。
ストーリーの作りこみが上手く、一話一話しっかりと練りこまれた構成の上手さが光る。またここ最近の作品はかなり絵が上手くなった事もあって、キャラクターや背景の造型が綺麗なのだが、この頃の絵はまだ荒く、むしろそれが退廃した近未来の雰囲気を上手く表現していたりする。
モズや克郎をはじめ、東京ジャックの面々やその他のキャラクターも実に個性的で、非常に愛着の持てるキャラクターがそろっている。
作品の中で描かれる舞台は、電脳と情報が支配する、荒廃と退廃に満ちたニューエイジトーキョー。
そんなトーキョーで生まれ育った、「テクノロジーが親」と言い切る人工子宮生まれの新世代の子供達が、旧世代の人間達を徹底的にコケにする姿は、まさにパンクそのものだ。
続巻の「X」になると、だんだんと主人公達が善人ぽくなってきてしまい、「サイバー」なんだけど「パンク」じゃない、ありふれた近未来物になりつつあるところが、残念。(電子少年は、完全にタダの近未来物になってしまっているし…)
日本でも実に稀有な「サイバー」で「パンク」な、実に愛すべき悪ガキ共の物語なので、できればこの路線で続けていってもらいたい。
やはり女性をターゲットにした漫画を多く書いている人なので、男は手を出しづらいかもしれないが、男が読んでも文句無く面白い作品も書いている人なので、是非機会があれば、読んでみてもらいたい。
最後にお気に入りの台詞を一発。
「俺はテンケーをうけたぞーっ!! テンケーーっ!!」(なんのこっちゃ…)